11月18日、ベネズエラで最も大切な宗教祭のひとつである「チニータ祭(チキンキラの聖母の祝日)」に参加してきました。会場に足を踏み入れた瞬間、ベネズエラの祈りと喜びが混ざりあう独特の空気に包まれました。
“聖母チキンキラ(Virgen de Chiquinquirá)”とは、ベネズエラ西部・スリア州の守護聖人として知られています。その起源は「ひび割れた木片に聖母の姿が浮かび上がる」という不思議な出来事に始まります。以来、人々はその奇跡の物語とともに、聖母を「La Chinita(ラ・チニータ)」という愛称で親しみ、家族と地域の絆を象徴する存在として大切にしてきました。
「チニータ祭(チキンキラの聖母の祝日)」に欠かせないのが、ベネズエラの伝統音楽「ガイタ」です。太鼓の力強いリズムと、明るく心弾むメロディが特徴で、聴いているだけで体が自然と踊ってしまいます。今回もガイタの生演奏が披露され、会場は一気にフェスティバルムードに。観衆が曲に合わせて手を叩いたり歌ったり、不思議な一体感に包まれました。
祭りのハイライトでは、担がれている聖母像がガイタの音楽とともに、踊る様に街を練り歩きます。観衆と一緒に歩く様子は、日本の神輿を彷彿とさせ、どこか懐かしい感じがしました。華やかな音楽と賑わいの裏にある「信仰」が心に染みわたるお祭りでした。







