西アフリカにあるブルキナファソは、雨季の真っただ中。
乾季には干上がる溜め池に水が溢れ、小舟で釣りをしたり、岸で魚をさばいて売ったり、貴重な水の恩恵に喜ぶ人々の姿があります。
しかし、ブルキナファソの乾季は、雨の降らない日が何か月も続き、貯め池の水も干上がる厳しい暑さです。そんな中、一体魚達はどこに行ってしまうのでしょうか?
実は、現地の言葉でルーロゴと呼ばれる魚達は、水がなくなる乾季の間、なんと土の中に潜り冬眠ならぬ夏眠をし、雨季になるとまた出てくるというのです!
驚いたことに彼らは魚でありながら肺を持ち、空気で呼吸することができるのだそうです。日本語ではハイギョ(肺魚)と呼ばれ、西アフリカにはプロトプテルスという種類のハイギョが生息しており、ルーロゴもその一種です。
見た目はナマズやウナギに似ていますが、ハイギョの仲間は4億年もの間姿形が変わらず、生きた化石とも言われています。
西アフリカでは生きている限りは腐敗しないため夏眠ハイギョを長旅の携帯用食糧として利用したと云われており、ブルキナファソでは今も干物にしたルーロゴが市場で売られ、保存食として食べられています。
「雨の日に、日干しレンガの家の壁からハイギョが出た」という逸話もある不思議な魚ハイギョ。世界には驚きの習性を持った生き物と、それをうまく利用して生活に活かして暮らす人々がいます。