culture × culture カーボヴェルテ編2025.11.11

アフリカ大陸の西、およそ500キロ沖に点在するカーボヴェルテ。10の島々からなるこの国は、かつてポルトガルの植民地として栄え、アフリカとヨーロッパ、そして南米の文化が交わる独特の魅力を持っています。ポルトガル語を話し、アフリカのリズムに心を乗せ、海を越えて暮らす―そんな多層的なアイデンティティこそが、カーボヴェルテの豊かさの源です。

島の人々は、自然とともに生き、音楽とともに語ります。誰もが歌い、踊り、笑う―それは特別な日だけではなく、日々の暮らしの延長線上にあるもの。中でも「モルナ」と呼ばれる音楽は、この国の魂そのものです。ゆるやかな旋律にのせて歌われるのは、遠く離れた家族への想い、旅立ち、そして再会への祈り。歌姫セザリア・エヴォラが世界に広めたその音楽は、カーボヴェルテの心を今も静かに伝えています。

カーボヴェルテは、地図の上では小さな点のような国かもしれません。しかしその文化は、海の彼方へと広がり、世界中の人々の胸に静かな余韻を残しています。―風が奏で、心が歌う。そんな島々が、この大西洋の真ん中にあるのです。

戻る