culture × culture インド編2024.12.24

インドが誇る世界遺産のひとつ、タージ・マハル。
愛する妻の死を嘆き悲しんで建てられたタージ・マハルは、世界で最も美しい「お墓」として知られています。今から約350年前、インドを支配していたムガール帝国の皇帝シャー・ジャハーンは、王妃ムムターズ・マハルの死を悼み、17年をかけてタージ・マハルを完成させます。

徹底した左右対称を貫くタージ・マハルの美しさは圧倒的です。訪れた人はその精巧な建築と左右対称に目を奪われてしまいます。まるで別世界にいるような錯覚に陥ってしまいます。唯一“左右非対称”になっているのが、実際の棺が安置されている場所です。棺の形は大きさなどに若干の違いがあり、ここだけは左右対称ではなくなっているのです。

皇帝シャー・ジャハーンは、タージ・マハル完成に国力を注ぎ過ぎました。完成する頃には各地で反乱が起きるようになり、さらには後継者を巡って4人の息子たちのいさかいが絶えなくなります。皇帝シャー・ジャハーンは、アグラ城からタージ・マハルを望みつつ、1666年亡くなります。しかしその極限の美を体現したタージ・マハルは、今なお私たちを虜にして離しません。

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